空想動物競技

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神様の気まぐれで、空想動物を戦わせて、優勝した生物を地上に遣わすことになった。天上界もたまには娯楽が必要なのだ。
「さあ、存分に戦うがよい」
空想動物たちははりきった。サラマンダーが火を噴けば、龍が洪水を起こして対抗する。
大空ではユニコーンと麒麟が激しくぶつかり合い、地上では狼男と吸血鬼と雪女が血みどろの争いを繰り広げた。
神様たちは空想動物同士の争いに喝采を浴びせたが、その一方で不安になってきた。こんなに危険な生物を地上に遣わしたら、地上の生態系は破壊されてしまう。
しかし、約束したことは取り消せない。なにせ神様なのだから。
優勝者が決まった時、神様は宣言した。
「地上に遣わすとは約束したが、生身の姿で遣わすとはいっとらん。安心しろ、その代わりに数は増やしてやるから」
この瞬間、あるビール会社はなぜか空想動物をラベルに貼ることを思いついた。このビールは瞬く間に大ヒット商品となり……。
ファンタジー
公開:20/08/15 00:03

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