戦争を知ってる子どもたち

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「空襲は殆ど知らないな。疎開してたからね」
父はあっさり答えた。
「だから戦争の怖さは、正直あまり感じなかった。敵の飛行機…B29か。それが飛んでいくのを眺めてたな。機銃掃射?いや、そんな低くない。もっと上だ。でも弟は半狂乱で、飛行機に向かって石を投げてたよ」
呆れ顔で笑う。
「子供同士も大変でな。こっちは余所者・都会者だ…当然、向こうは面白くない。それである日『勝負』を持ちかけられた」
「へえ、凄い」←建前
(へえ、タイマンかよ)←本音
「と言っても要は相撲だ。まあ舐めてたんだろう。何しろ俺は体が小さいからな」
「それで?」
「勝ったさ」
何てことないという風情と裏腹に、僅かに胸がそり返る。
「でも仕返しとか…」
「それはない」
父は笑った。
「そういうのはないんだ。むしろ一目置かれたぐらいだよ。昔だから、そこは単純だ」
私の気の強さと筋肉バカは父親譲りか。私はやれやれとため息をついた。
その他
公開:20/08/14 19:41
メモリアル三部作 #2 昭和8年生まれの父の話 父はいつもクラスでいちばん 小さかったそうです でも力比べで 負けたことはないらしい おかげ様でまだ元気(笑)

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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