真夏の翻訳

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『ここに居ます!ここに居ます!ここに居ます!ここに居ます!』

『お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!』

『はじめまして!待ってます!はじめまして!待ってます!』

炎天下の公園。イヤホンを外すと夏の鳴き声が鳴り響いている。
「という事は、開発を始めた時に生まれた者たちの声ってことか。」
上々の出来栄えに感慨深いものがこみ上げた。

苦節7年、蝉の翻訳機がまさに羽化したのだった。
長い梅雨が明け夏が本気を出してきた。
イヤホンを再び装着する。彼らの命の本気に目を細めた。

『君が好きだー!君が好きだー!君が好きだー!君が好きだー!』
青春
公開:20/08/14 17:10

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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