足袋で野山歩き

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野山歩きが好きで、よく出かける。時代劇や忍者も好きなので、ふと足袋を履いて歩こうと思った。

足袋で野を歩くと、普段と様子が違う。周りの物が語りかけてくる。

ある時、眺めがよい崖の方に向かうと、1匹のイタチがこちらを見ていた。「行くなよ」と言うように。
僕は足を止め、道を回り込んで驚いた。崖の下が土砂崩れで、えぐれている。
もし崖の上に立てば、崩れていただろう。

それ以来、野山を足袋で歩き、いろんな声や気配を感じている。
僕の足はきっと、その足袋と相性がいいのだ。

脳と足の裏は繋がっている、という人もいる。
ひょっとすると、忍者が足袋を履いたのは、眠れる脳の力が覚める様な効用があったからではないか。
だからあんなにすごい力が出たのだ。

今では野山歩きは、必ず足袋。いつも、不思議な自然の声を聴いている。

いつかこの足袋で、街の中を歩いてみよう。
果してどんな声が迎えてくれるだろう。
その他
公開:20/08/14 15:46
更新:20/08/15 22:44

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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