三途の川を飲んでみたい

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妙に黄ばんだ布製の橋を、数人のお年寄りが渡っていた。ヒシヒシと音を立て、橋は揺れる。どうやらこれを渡るらしいが、私には1つやってみたい事があった。
「あれ、案内人さん。さっきの爺さんは?」
私はソレに話しかける。数秒停止した後、モヤモヤしたソレは「エ、ミスッタカ」と、その場を離れていった。
私は急いでしゃがみこみ、川の水を掬った。ビー玉のような煌めきが、私の手の中で踊る。
いざ、私はチロチロと口をつけた。
……臭い。
「おーい、タロウか」
ギョッとして顔を上げると、川上から死んだ婆さんがバシャバシャと走ってきた。初めは腰の辺りまで浸かっていたので分からなかったが、こちらに近づくにつれ徐々に水かさが減っていく。次第に膝あたりまで露になっていった。
「げ、ババア!」
下は何も着用していなかった。老婆の濡れた汚い部分が目に焼き付けられる。
「へへへ、飲んだな」
「ギャー!」
私は息を吹き返した。
その他
公開:20/08/14 15:31

まる

死ぬまでに本を出版するのが夢です!

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