深海のふたご
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色の重い海の底に、ふたごの姉妹が暮らしていた。
妹は活発で、鱗を纏った下半身と長い両腕を海水に絡ませて踊るのが好きだった。海面に顔を出せば、人間たちからは幸運の存在として歓迎もされた。
姉は珊瑚の飾られた部屋からほとんど出る事はなかった。まるで正反対の二人だが、姉は自分たちのルーツを探る為に人間から情報を得てくる妹を毎日心待ちにしていた。
「お帰りなさい。どうだった?」
「やっぱり父さんは人間で間違いなさそう。人魚と恋に落ちた男が、魚を食べないという誓約で、人魚を人間にしてもらったという話を聞いた事があるって」
「けれど誓約を破ってしまった…」
「ええ。怒った海の神が、まだ赤ん坊だったふたごの姉妹を海に連れ去ったって言ってたわ。どちらにも半分、魚の運命を背負ってもらうと」
「じゃあ、それが原因で私はこの姿に…」
姉は海底で拾った鏡に映る自分を見つめる。
頭は魚、下半身は人間の自分の姿を。
妹は活発で、鱗を纏った下半身と長い両腕を海水に絡ませて踊るのが好きだった。海面に顔を出せば、人間たちからは幸運の存在として歓迎もされた。
姉は珊瑚の飾られた部屋からほとんど出る事はなかった。まるで正反対の二人だが、姉は自分たちのルーツを探る為に人間から情報を得てくる妹を毎日心待ちにしていた。
「お帰りなさい。どうだった?」
「やっぱり父さんは人間で間違いなさそう。人魚と恋に落ちた男が、魚を食べないという誓約で、人魚を人間にしてもらったという話を聞いた事があるって」
「けれど誓約を破ってしまった…」
「ええ。怒った海の神が、まだ赤ん坊だったふたごの姉妹を海に連れ去ったって言ってたわ。どちらにも半分、魚の運命を背負ってもらうと」
「じゃあ、それが原因で私はこの姿に…」
姉は海底で拾った鏡に映る自分を見つめる。
頭は魚、下半身は人間の自分の姿を。
ファンタジー
公開:20/08/14 08:38
ショートショートには不向きな書き方かもしれませんが、こちらで修行させていただきたくお邪魔しました。
よろしくお願いします。
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