正岡子規とホトトギス

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俳句は最高の純文学である。

と、正岡子規は信じて疑わない。

今日もホトトギスを題材にした俳句を作ろうとしている。

今日は今までとは違ったアイディアを捻り出そうと、ホトトギスに化粧をさせた。

なかなか美人になったので、正絹の煌びやかな模様の反物を切り抜いてホトトギスに着せた。

するとどうだろう、ホトトギスは子規の初恋の女性とうりふたつになった。

実はその女性は子規を裏切り別の男と浮気した悪女だ!

子規をそそのかし貢がせながら、別の男ともよろしくやってた女だ!

まだ恨みを捨てきれない純情な子規は「このクソ女め!」と思わず叫んでしまった。

ところが、美しきホトトギスは無表情だ。
暴言を吐かれても涙の一つも見せやしない。

子規は何かが浮かんだようで、ささっと筆を走らせた。

「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」

あれ、これって信長の句だったような…
その他
公開:20/08/13 20:58
更新:20/08/13 21:00

岡本たかし

歴史ものに特化した小説を書いています。
よろしくお願いします!

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