中臣鎌足の周りのカタマリ

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中臣鎌足はいまだに「カタマリ」と間違えられる。
大化の改新に貢献し、大臣に上り詰めても、
「カタマリ様!」と呼ぶものが後を絶たない。

ひらがなもカタカナもない時代だ。
フリガナを打てないので一度間違えれば間違えっぱなしだ。

上司の中大兄皇子ですらそうだ。
今日も「おいカタマリ、蹴鞠をやるぞ」
「あの~皇子、かまたりなんですけど…」

蹴鞠に集まった連中も口を揃えて、「カタマリ大臣」と呼んであいさつしてくる。

「違う、私はかまたりじゃ!!」

「え、カタマリ大臣でしょ」
「カタマリさまのリフティングは名人芸です」
「カタマリ先生のオーバーヘッドに憧れて蹴鞠始めました」

みんなカタマリとしか言わない。

気が付くと周りを囲んだ者たちは鎌足を見てこぞって
「カタマリ、カタマリ」と囁きかける。

それ以来、たくさんの人や物が密集している状態を
「カタマリ」と呼ぶようになった。
その他
公開:20/08/12 13:21

岡本たかし

歴史ものに特化した小説を書いています。
よろしくお願いします!

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