NEO ENGEI

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20XX年、八月。
本日はNEO ENGEI記念すべき初の国際大会の日である。

「NEO ENGEI」とは「花自身」が自らの魅力、文化的価値、その他内面の美しさなど聴衆に向かってアピールする弁論競技だ。

何を云っているんだと思われるかもしれないが令和元禄の御世においては人語のみならず「植物通訳機」が爆誕しているので大丈夫だ。

特に百花の王たる牡丹は饒舌で、NEO ENGEIが「競牡丹/くらべぼたん」とも呼ばれる所以である。勿論、今大会の優勝候補だ。

会場ではセコンドである各NEO ENGEI職人と共に色とりどりの花がそれぞれに己の美しさを姦しくアピールし、正に百花繚乱。

芍薬がピーチクパーチク
牡丹がピーチクパーチク
百合の花がピーチクパーチク

「解説の苗村さん。如何ですか? やはり牡丹が一歩リードな感じが致しますが!」

「うーん。そうですね。
 花は喋らない方が綺麗ですね」
その他
公開:20/08/12 12:14

椿あやか( 猫町。 )

【椿あやか】(旧PN:AYAKA) 
◆Twitter:@ayaka_nyaa5

◆第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞
◆お問合せなど御座いましたらTwitterのDM、メールまでお願い申し上げます。

◆【他サイト】
【note】400字以上の作品や日常報告など
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