勝利のために

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 私は遂に夢の舞台に立った。
 陸上競技世界大会。100m決勝。
 他の競技は日本の優れた科学分析に基づく技術力の向上等もあって好成績を修めてきていたが、100m走のような短距離走で日本人が頂点に輝く事は極めて困難というのが定説となっていた。
 瞬発力・持久力共に私の筋力で世界と戦う事には限界を感じていた。これまでは中盤以降に失速し決勝進出すら叶わなかった。
 だが、遂に日本人として初めて日の丸をつけて決勝の舞台に立った。
 各国の選手がスターティングブロックに身を沈める。獲物に飛びかかる前の野獣のように。
 私は静かにスイッチを切り替える。再び悪魔に魂を売ったのだ。
「パーン!」
 スタートはやや出遅れたが、その後は一定のスピードで他の選手をかわす! 中盤以降もペースは落ちない!
先頭でゴールを駆け抜ける! タイムは9.17秒!
「あ〜。正彦君ずるい。連射機能付きのコントローラーじゃん」
青春
公開:20/08/12 11:44
更新:20/08/12 14:12
空想競技 コンテスト

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
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