空想競技

「ねえ、ねえ、ヒロシ。この先、どんな競技があったら面白いと思う？」
「そうだな。例えば、無重力バスケなんてどうかな。球速は格段に上がるし、選手の空中プレーが増えると思うんだ。そうなったら観客が盛り上がるんじゃないかな」
「なるほど面白いね。相手が空中でブロックして来たらおならで空中移動してゴールを別角度から狙うみたいな」
「もし、相手がおならで空中移動して来たら俺なら対抗して鼻息で空中移動するかな」
「そう来ますか。それなら俺は通信教育で覚えた手品のテクニックで相手のボールをボーリングの球にすり替えてやる」
「お前がその手に来るなら俺はおばあちゃん直伝のお手玉技術を使ってお前を俺の手の中で転がしてやる」
「それなら僕は祖父から授かった一子相伝の独楽回しテクニックでお前の周囲の時間をコマ送りにしてやる」
「なら、俺はリモコンで早送りして未来を見てから戻って来てやる」
「その手があったか」