今昔こんにゃく

2
3

若者言葉への軽蔑も、親父ギャグへの淘汰も「今昔こんにゃく」の発売で、社会に蔓延っていたジェネレーションギャップの壁は崩れ落ちた。
食べることでその時代の言葉を話せるようになる代物で、バリエーションは「X年代」から派生し、「業界用語」「ギャル語」など多種多様にある。

ある会社では即戦力を獲得するため、新人に職種にマッチした商品を食べさせ、ある学校では生徒とコミュニケーションをとるため、「流行語」の商品を先生たちで買い込んだ。
また、時代劇の役者は「江戸っ子風」の商品を食べてから本番に臨むし、標準語圏の女子たちはこぞって「方言『博多弁』」の商品を食べてから合コンに向かった。

この時期、動物と会話ができる少女や、UFOと交信できる青年といった類のタレントは珍しくなくなり、テレビ業界はひな壇争奪時代に突入したが、滝〇カレンだけがその天性の口調で今もなお一人勝ちしている。
その他
公開:20/08/23 15:00
更新:20/08/13 01:36

まのじゅん( 神戸 )

まのじゅん/間野 純
神戸市在住の26歳
執筆は2020年春ごろから

お立ち寄りいただきありがとうございます
ふらりと交流できれば幸いです

▼NOVEL DAYS
https://novel.daysneo.com/author/j_mano37/
▼入選作品
・J-WAVE SPARK×NOVELDAYS ほっこりショートコンテスト第1弾「モノのつぶやき」
 「子に捧ぐ祈り」

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容