恋の死神

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「私と付き合ってくれなきゃ撃つ!」

屋上でエキセントリックな告白に戸惑うのは、カラフルネイルに不釣り合いな拳銃"死神"だけでなく、銃を向けられた男子生徒も同様だろう。

「…でも」

男子生徒は口籠る。

少年から青年へ
「羽化」を思わせる端正な顔立ち。
彼女が恋する気持ちもわかる。

「断ったら撃つから!」

無茶を言いながら、彼女は涙で顔を崩している。

「自殺なんて…死ぬなら私と付き合うくらいなによ!」

屋上際に立つ彼は目を伏せる。

「それなら‥」

死神をこめかみに当て彼女が目を瞑った。

「待って」「こないでッ!」

彼が彼女に向かい走る。

銃声。

静寂。

遅れて蝉時雨が戻ってくる。
弾丸が壁を穿つ。
彼が彼女を抱きしめていう。

「わかった。生きてみるよ…一緒に」

死神は祝砲のひとつも上げたいが
生憎、弾切れだ。

死神残弾のこり0

しかし物語はまだ続いていく。
青春
公開:20/08/13 01:16
更新:20/08/13 11:18
死神シリーズ5 ご指摘いただき少し修正

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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https://twitter.com/Karatsu_a

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