スタジアムの中心で、愛をさけぶ

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『大声選手権、優勝争いは三人!日本の森、イタリアのロッシ、そして紅一点、アメリカのミラー!』

二人とはこれまで凌ぎを削ってきた……しかし、俺には秘策がある!

『さぁ森、ラスト!』

「……好きだ!ミラー!」

四年前から秘めてきた想い……解き放った声は、誰よりも強いはず!

『思わぬ告白!最高記録!森、トップに立った!さぁ、続いてロッシ!』

「……ちょっと待ったー!」

え?

『おっと、ロッシ参戦!しかし記録は……及ばず!森、銀以上確定!そして最後は渦中のミラー!いろいろな意味で決着はつくのか?』

「……ロッシが好きー!」

え?

『大どんでん返しー!だが、記録は及ばない!森、金メダル!しかし……笑顔のロッシ、潤んだ瞳のミラー、俯く森、誰が勝者かわからない!』

インタビュアーが駆け寄る。

「森さん、やりましたね!」

「……どうでもいいよ」

小さな小さな声で、吐き捨てた。
その他
公開:20/08/12 20:15
更新:20/08/13 22:29
空想競技

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

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