夏の風物詩

キャンプ場の管理人をしている私は一目で素人か玄人かを判断できる。
キャンプ玄人にはあえて何も言うまい。己の持つやり方を貫いて欲しい。だが問題行為があれば注意するからな。
キャンプ素人にはいくつかアドバイスをする。ケガをしたり、思うように行かない事でキャンプに嫌な思い出を持ってほしくない。楽しいキャンプにする為の知恵を与える。
そんなキャンプ素人の中でもカップルなんてのはまさにカモだ。
笑顔で私の説明を聞き出て行くも、１時間以内に喧嘩しながら戻って来る。
やれ虫が多いだの、やれ上手く火が着かないだの、文句ばかり言う。
そんなカップルに私は喧嘩の火種で燃える薪を売る。
そしたらほら、早速薪に火が着いたじゃないか。それを持って焚火を楽しみな。
あとついでにこれも買っていきな。お邪魔虫避けスプレー。
アンタらの放つあま～い空気で人も虫も邪魔者は寄せ付けない逸品だよ。
さ、これでキャンプを楽しみな。