大仏さんありがたや

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聖武天皇は満足感でいっぱいだ。
奈良の大仏がついに完成したのだ。

「これで天変地異も収まるだろう」
大仏のこの朗らかな笑みがこの国を救うと確信した。

早速たくさんの人が拝みに来る。
大渋滞ができていた。

待ちきれない人たちは先を競ってけんかを始めた。
大仏様を前に人間たちが争いを始める。

すると空から大雨が降ってきた。
けんかなんかしている場合ではない。
たちまち争いは収まり、もとの列に戻って
衣服を傘代わりに雨に耐える。

大雨を見て聖武天皇は
「ああ、また雨が降ってしまった」と嘆く。

しかし人々が争いをしなくなったのを見計らったかのように、
大雨はぴたりとやんだ。

行列がスムーズにばり、参拝客は満足げに大仏を拝む。

すっかり天候がよくなり、聖武天皇も一安心。

こうして大仏はこの国の平和を見守ってくれているのだ。
今日も大仏は朗らかな笑みを浮かべている。
その他
公開:20/08/11 18:24
更新:20/08/12 09:44

岡本たかし

歴史ものに特化した小説を書いています。
よろしくお願いします!

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