唐揚げマジック

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オレがバイトしてる居酒屋は、メシが美味いことで評判だ。中でも唐揚げの人気は群を抜いている。こだわりの強い店長が、文字通り心血を注いで仕込み、一晩寝かせた秘伝の逸品なのだ。
「ねえ、店長。あの『唐揚げは手抜き』って話、腹立ちますよね。エラそうに…」
だが店長は開店準備を進めつつ淡々と言った。
「言わなきゃ判んねえヤツに何言っても無駄だ。俺が力を割くのはそいつらのためじゃねえ…時間だぞ」

しゅうしゅうと音を立てる唐揚げがてんこ盛りの大皿が来ると、決まって客が歓声を上げる。
「あひっ、あひひっ…はー、うめぇ。やっぱコレだよ」
「食べると元気でるわ。これがほんとのカラ元気…なんちゃって」
「馬鹿やろ、せっかくの唐揚げがマズくなるだろ。ねえ大将」
「そんなことない。笑って食うメシに不味いものなんてありゃしません」
店長はからからと笑ってそう言うと、次の皿に熱々の唐揚げをどっさり豪快に積みあげた。
その他
公開:20/08/11 12:34
更新:20/08/11 15:14
唐揚げ大好き ウチの唐揚げは ある居酒屋さんのレシピを 参考にしています 手間と気合は必要だけど コレがまた美味いんです♪ 飯テロSS

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
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【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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