甲子園と海とアブラゼミ

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いよいよ夏の高校野球は全国大会が開幕だ。四十七都道府県の各地方予選を勝ち抜いた代表校が高校球児の聖地、阪神甲子園球場に集う。
真っ青に晴れた大空の下で行われた入場行進では、甲子園特有の浜風が吹き、海が声援するかのように海鳴りが聞こえてきた。まるで選手たちにエールを送るような轟音は、古関裕而が作曲した入場曲『栄冠は君に輝く』のメロディーに乗っている。
開幕試合は、奈良県代表で優勝経験もある私立の強豪T高と愛媛県代表で県立の進学校である古豪E高との一戦だ。
三対〇でT高リードで迎えた九回裏、勝ちを急いだT高の投手は制球を乱し、二死ランナーなしからまさかの三者連続の四球を許した。満塁となった場面でE高は四番バッターに打順が回る。球場内のボルテージは最高潮に達し、焦って甘めに入ったT高の投手の初球を満塁ホームランにしてE高がサヨナラ逆転勝ち。
劇的な幕切れに銀傘ではアブラゼミの鳴く声がこだました。
青春
公開:20/08/10 07:45
スクーのお題 「声援する海」 「満塁アブラゼミホームラン」 高校野球 高校球児 阪神甲子園球場 浜風 海鳴り 『栄冠は君に輝く』

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育ち、大学時代は京都(御所の近く)、大学院時代は湘南(海ではなく山側)で過ごす。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年06月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。

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