星空を見上げて
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高校時代の同級生に、夜空を見上げるのが好きなヤツがいた。ヤツは星を数えながら「昔のひとは空想力が豊かだったんだな」と言うのが口癖だった。
「古代ギリシャ人たちは星空を眺めながら、まるで空想力を競うように星座を作り続けた。星空のキャンパスに神話の英雄を見出し、時には身近な動物や道具を描いた。ぼくが思うに、人類は科学技術の進歩と引き換えに空想力を失ったんだ」
「そんなことないと思うけどなあ」
「いや、間違いない。現代人は与えられた科学知識のせいで、空想力に蓋がされているんだ。とても悲しいことだと、ぼくは思うね」
それから数十年が経過した。オレは星間飛行をする航海士として活躍している。
地球から離れれば星空の姿は一変する。だが、いくら点を繋げてみても何も思い浮かばない。古代ギリシャ人のような美しい星座を作れそうにない。
この星空を見て、ヤツならなんと言うだろうか。ふっと、ヤツの顔が思い浮かんだ。
「古代ギリシャ人たちは星空を眺めながら、まるで空想力を競うように星座を作り続けた。星空のキャンパスに神話の英雄を見出し、時には身近な動物や道具を描いた。ぼくが思うに、人類は科学技術の進歩と引き換えに空想力を失ったんだ」
「そんなことないと思うけどなあ」
「いや、間違いない。現代人は与えられた科学知識のせいで、空想力に蓋がされているんだ。とても悲しいことだと、ぼくは思うね」
それから数十年が経過した。オレは星間飛行をする航海士として活躍している。
地球から離れれば星空の姿は一変する。だが、いくら点を繋げてみても何も思い浮かばない。古代ギリシャ人のような美しい星座を作れそうにない。
この星空を見て、ヤツならなんと言うだろうか。ふっと、ヤツの顔が思い浮かんだ。
SF
公開:20/08/07 22:52
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