SS耐久レース

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今年も「ショートショートの日」に合わせてSS耐久レースが開催される。SSはショートショートの略称だが、スーパースピードと掛けている。
ルールは、三時間で四〇〇字のショートショートをより多く書き上げ、その内容で競うというものだ。
内容は、ショートショート作家のT先生はじめ各界の著名人が審査する。書き上げられた作品から順に、良い=二点、普通=一点、悪い=〇点でスコア化して評価する。
今年のお題は『空想競技』で、四十七都道府県から選ばれた老若男女、最年長一〇〇歳から最年少五歳まで多彩な顔ぶれが揃った。

いよいよレースが始まった。静まり返った会場内では、指定の原稿用紙に文章を綴っていく鉛筆の音が響きわたる。
だが二時間も経つと疲労困憊で筆が進まず、瞑想に耽る者や熟睡する者、退場する者などが続出した。
そんな中で熾烈なデッドヒートを繰り広げる者がいた。
清少納言、鴨長明、吉田兼好のクローン三名だ。
その他
公開:20/08/07 20:22
更新:20/08/08 02:55
ショートショート SS 耐久レース 四〇〇字 空想競技 老若男女 清少納言 鴨長明 吉田兼好 クローン

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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