流星グランプリ

　流星免許を取得して人工流星を買った。流星グランプリに出場するためだ。優勝すれば無人惑星を獲得できる。流星にはサドルとハンドルが付いていて、ハンドルのスロットルを回すと噴射ガスがほうき星みたいに煌めくのだ。
　夜、グランプリ当日。俺は流星に乗り、スロットル全開でスタート！　マフラーから火花を散らし大きな螺旋を描いて上昇した。火花の残像が煌めいて会場の歓声が上がる。スピン、トルネード、鍛え上げた技で会場を沸かせた。俺は秘策の花火に点火した。大輪の花火を潜り抜け、演技を終えると会場はスタンディングオベーション。その刹那、どこからか、飛び入り参加者があった。青い閃光を放ち、猛烈なスピードで会場を圧倒させた。夜空を縦横無尽に駆け抜け、ジグザグや高速回転、見たこともない技のパフォーマンスを披露して優勝してしまった。

　優勝者は賞金と無人惑星獲得の目録を受け取ると、UFOに乗って流星のように消えた。