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どうも今日は、クーラーの効きが悪い。

人間も機械も歳をとるとダメだねぇ。

ぶつくさ言いながら、
温度を下げてみるが、
やっぱり一向に涼しくならない。

こりゃあ本当に参ったわ、
なんてぼやいていると、
わずかだが扉が開いているのが目に入った。
ひと一人入れるほどの控えめなすき間だ。

なるほど、だからか。

扉を閉めてやると部屋は徐々に涼しくなった。
だがしばらくするとまたうっとうしい暑さだ。

ふと扉に目をやれば、まただ。
かすかだが開いている。

おかしいなあ、
私もついにボケただろうか。

そんなことが更に二度続いた。

気味が悪いが、年寄りはもう寝る時間だ。

そう思って日めくりの暦に手を掛けて、
ようやく気が付いた。

茄子と胡瓜の挿絵。

ああ、そうか。
そんなことも忘れるなんて。
やっぱりもうボケている。
ひとり笑いながらもう一度扉を見る。
やっぱり少しだけ、開いている。
その他
公開:20/08/08 16:52
更新:20/08/12 15:30

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