中学三年生

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中学校の制服もこれで見納めか。
高校受かったのはいいけれど、男子校なんだよなあ。
男子校に行ったらもう隣の席に女子はいない。
今しかないこの貴重なチャンス。なのに俺は…。
「あの、第二ボタンもらえませんか」
「え?」
誰?
顔は見たことあるような、ないような。
何組の子だろう? 後輩かな?
じっと俺のこと見つめてきて、けっこう可愛いじゃん。
「別にいいけど」
「やったあ!」
「俺のなんかでよければ。…はい」
「あの、高校行ったら頑張って下さいね」
「うん」
「じゃ、失礼します!」
「え、うん」
あ、行っちゃった…。
え、終わり?
何も気の利いた言葉が思いつかなかった。
てか、なんであの子の名前を聞かなかったんだ?
今のがチャンスじゃん!
うわああぁ。
俺に勇気がないから、普段から女子をデートに誘ったり、告白したりしたことないから、こんな時何もできないんだ!

大学デビューで頑張るしかない。
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公開:20/08/08 13:00

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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