花束どっさり

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友人のアーチストの個展を見に行った。ギャラリー受付の女性に会釈して部屋に入る。壁に映像が投影されている。椅子に座った男の後ろ姿が映っている。椅子から立ち上がるが、椅子にまだ同じ男が座っている。その男もまた立ち上がるが同じように残像が座っている。繰り返される。
壁から離れた部屋の隅に花束の山。一隅を埋めるように無造作に色鮮やかな花束が積み上げてある。個展祝いの花を打ち捨てたようにもみえる。離れて歩き出すと、ぱさっと音がした。振り返ると山に花束が一つ増えた気もする。いきなり後ろから友人が来て、これも作品だと説明してくれた。天井から花束が不定期に落ちてくるのだという。そういえば天井に黒い穴が開いている。
作家と受付に向かうと女性がそっくりの二人になって笑っている。彼はこれも作品だという。女性アンドロイドに感心していると、外から入ってきたのは作家本人。さっきからの友人もアンドロイド作品であった。
公開:20/08/08 09:34

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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