濃縮された惚れ薬
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幼い頃から両親に叱られてばかりの人生だった。そのせいか僕は大人になった今でも対人関係に自信を持つことができない。人と接する時、僕なんて嫌われて当然だと無意識に思ってしまうのだ。そんな僕には恋愛なんて不可能だと諦めていた。でもこの惚れ薬さえあれば、彼女は僕を好きになってくれるかもしれない…。
「私、キミのことが好き」
彼女の飲み物に試しに一滴入れてみたが、凄い効き目だ。自宅で煮詰めて濃縮したのが良かったのかも。
「もしかして、好きって僕のこと?」
オドオドと振り返って他に誰もいないことを僕は確かめた。
「いいえ、あなたじゃなくて、キミが好きなの」
「え、何を言ってるんだい?」
彼女はやはり僕の目をじっと見つめている。
段々と彼女の顔が僕に近づいてくる。
真っ直ぐに、情熱的に。
僕の目を、眼球を——。
「だから、私は“キミ”のことが好きなの」
彼女は、僕の眼球をぺろりと舐めた。
「私、キミのことが好き」
彼女の飲み物に試しに一滴入れてみたが、凄い効き目だ。自宅で煮詰めて濃縮したのが良かったのかも。
「もしかして、好きって僕のこと?」
オドオドと振り返って他に誰もいないことを僕は確かめた。
「いいえ、あなたじゃなくて、キミが好きなの」
「え、何を言ってるんだい?」
彼女はやはり僕の目をじっと見つめている。
段々と彼女の顔が僕に近づいてくる。
真っ直ぐに、情熱的に。
僕の目を、眼球を——。
「だから、私は“キミ”のことが好きなの」
彼女は、僕の眼球をぺろりと舐めた。
ホラー
公開:20/08/06 02:07
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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