アプリ札束
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定年退職後の趣味として始めたアプリ作り。
昨日、初めてアプリストアに公開された。
自分の作ったものが、アプリストアという商品棚に並べられているだけで感無量だった。
しかも、たいして内容のあるアプリでもない。強いて言えばジョークアプリだ。
単純に入力した物の重さを百万円の札束に換算するだけの極シンプルなものだ。
例えば、このお茶なら、350グラムなので、札束3個半で350万円って具合だ。
まったくもって有用性はない……、はずだった。
この男に会うまでは。
「入力した物の名前を記録する機能を追加? お茶とか? ってことですよね?」
「そうですね。記録できたら便利じゃないですか」
「ええ、まあ……」
「ところで、お孫さん生まれたんでしたっけ?」
「えっ? なぜそれを?」
「まあまあ、お孫さんのお名前は? 何グラムでした? いや、ほら、量り売りと同じ要領ですよ」
昨日、初めてアプリストアに公開された。
自分の作ったものが、アプリストアという商品棚に並べられているだけで感無量だった。
しかも、たいして内容のあるアプリでもない。強いて言えばジョークアプリだ。
単純に入力した物の重さを百万円の札束に換算するだけの極シンプルなものだ。
例えば、このお茶なら、350グラムなので、札束3個半で350万円って具合だ。
まったくもって有用性はない……、はずだった。
この男に会うまでは。
「入力した物の名前を記録する機能を追加? お茶とか? ってことですよね?」
「そうですね。記録できたら便利じゃないですか」
「ええ、まあ……」
「ところで、お孫さん生まれたんでしたっけ?」
「えっ? なぜそれを?」
「まあまあ、お孫さんのお名前は? 何グラムでした? いや、ほら、量り売りと同じ要領ですよ」
ホラー
公開:20/08/07 11:15
柚須 佳(ユス ケイ)と申します。
緻密な世界設定なものが好きです。
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