問いかけ定食

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店主からお盆を受け取るカウンター席。
ご飯を指差しながら
「一杯目から『おかわり』するにはどうすれば良い?」
言葉が出ない。メニューに目を移す。
日替わり定食のつもりで注文していたのは「問いかけ定食」であった。
「ちゃんと正解はあるんですか?」
とりあえず味噌汁から手を付ける。
「適当言ってるんだから俺が納得すれば正解。」
目線はまな板で返事が返ってきた。
まいったな。気にせず食べるのが正解な気もするがなんか悔しい。
一杯を二分割するか。昼飯の続きだと言い張るか。
微かな笑い息が鼻息となって出た。…冷める前に食おう。

「あ、大将。これならどう?」
ある光景が目に止まり思わず声を掛けていた。
顔を上げる店主。
隣席の丁度食べ終わった男性に一口だけご飯を食べてもらう。
「誰の『おかわり』かは指定無かったので。」
ドヤ顔かもしれない。
「気にくわねぇ。」
小皿に乗った唐揚げが遅れてやってきた。
その他
公開:20/08/06 23:56

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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