河原での再会

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弟が来たから迎えに来い、という連絡を受けた。
行きたくないが、仕方がなく河原へ向かうと、久しぶりに会う弟がそこに居た。
「姉ちゃん…」
絞り出すような声だ。顔は歪んでいる。明らかに泣くのを我慢している。
だから来たくなかったんだ。こんな顔は見たくないから。
「行くよ」
あの頃と変わらず、ぶっきらぼうに言い捨てながらも、やっぱり弟は可愛い。こうして会えたのも嬉しい。突っ立ったままの手を繋いで強引に引っ張った。

あの頃を生き、天寿を全うした人たちがそろそろこっちへ来ている。
こうして、先に死んだきょうだいが迎えに来ることも、近頃ではよくある光景なのだろう。
「戦場に行った俺が生き残ってごめん」
消えそうな声が届いた。違う、聞きたいのはそれじゃない。
「姉ちゃんが生きられなかった時間のこと、教えてよ」
もう時間は気にすることはない。いくらでも話そう。
その他
公開:20/08/06 18:42

とこたコト( 愛媛県 )

物書き初心者です。一つずつ勉強していきます。
しばらくぶりでございました!この頃ずっと余裕が無い日々を送っておりましたが、どうにかこうにか戻って来ました(^_^;)
まだもう少しカメさん歩きになりそうですが、またまた頑張ります!
駄文ですが、どうぞ宜しくお願いします。

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