夏野菜の扉

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「急げ急げお前達!早くしないと主様にどやされるぞ!」
長いコック帽を被った猫が周りの猫に指示を出す。
指示を受けた猫達は次々と料理を仕上げていく。夏野菜メインの食事のようだ。
そんな食事のメインディッシュは…私である。
興味本位で山猫軒に入り、身ぐるみ剥がされた私は今、檻の中に閉じ込められている。
「前みたく逃げられたら困るからなぁ…」と舌なめずりする猫は凄く怖かった。
どうやら、私の命もここまでのようだ…ならせめて…美味しく料理されたい。
私だって料理人の端くれ。それなりに美味しい物も食べている。
だからこそ!猫達の野菜に対するぞんざいな扱いが許せない!
私は近くにいる猫に怒鳴った。
「馬鹿!トマトの皮むきは刃物使わなくても出来るでしょう!ああもう!夏野菜について何も知らないの!?」
びくりとする猫に私は続けて言った。
「ここから出して。君達に夏野菜の本当の力…夏野菜の扉を教えてあげる」
公開:20/08/04 19:00
続かない

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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