ゴカド

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 ゴカドが必要以上に笑うので、私は何がそんなに面白いのか、と聞いた。だが、ゴカドは笑いながら説明してくるものだから、私には何がなんだかわからなかった。私も笑いたかったが、そう考えれば考えるほど、冷静になった。ゴカドはスマートフォンを見ていたから、おそらくそこに何か映っているのだろうと思った。
 ゴカドはひとしきり笑い終えると、ファンタグレープを飲んだ。ゴカドが、自分のお金で水やお茶を買うことが信じられない、と言っていたことを思い出した。私は缶の緑茶を飲んだ。缶で飲む緑茶は、ペットボトルで飲むよりもなんとなく美味しい。
 ふいにゴカドが、「銭湯に行こう」と言った。「歩いて行ける距離にあるのかい?」と僕は聞いた。「ああ」とゴカドが答えたので、私は銭湯に行くことを承諾した。私は、歩いている距離がとても好きだ。
青春
公開:20/08/04 18:19

杉将

基本的に、無、です。

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