甘い塩

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甘い塩。
しょっぱい砂糖。
熱いアイス。
冷たい焼きいも。
赤い青。
青い赤。

ある少女がノートの隅に書き連ねていた落書きだ。

先生や親から押しつけられる勉強に、その少女はうんざりしていた。

あらかじめ答えが決まっている問題を解くことに、どんな意味があるんだろう?

甘い塩、しょっぱい砂糖。そういう誰も見たことのないようなものを探すことの方が絶対におもしろい。誰もがアッと驚くような発見をしてみたい。

人は誰しも、こういう瑞々しい感性と好奇心を持っていたはずだ。少なくとも、ある年齢までは。

それはいつのまにか、大人の常識にのみ込まれ、答えが決まっている問題を解く繰り返しの日々に忙殺されるようになる。

成長する、大人になる。それって、いったい、どんな意味があるんだろう?

少女は悩む。

ずっと、少女のままでいたいと思う。
青春
公開:20/08/04 16:50

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

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