ミートボール、ミステイク

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「よう相棒!」
「うん? どうしたこんな時間に? お昼はまだだろう?」
「ああ、昼じゃ遅いんだ、昼までには確実に逃げ出さないと」
「めずらしいな、いつもきっちり仕事をこなすおまえが逃げるだって?」
「ああ、今日はまずい! なんてたって賞味期限切れだ!」
「なんだって! ママさんにしては珍しいな」
「ああ、こんなのは始めてだ! まあ、うっかりだと思うが、このままだとマイちゃんに……」
「そうだな、お前はマイちゃんの大好物だからな!」
「そうだ! そうなったらオレはいとも簡単にマイちゃんのお腹を壊してしまう……、そこでだ、おまえのその足を貸してくれないか?」
「足を?」
「ああ、その自慢のタコさん足をちょっとオレの体に引っ掛けてくれないか?」
「うん? こうか? これでどうだ?」
「あー、イイ感じだ、これなら蓋を開けた瞬間に飛び出せるぜ」

 弾け飛んだミートボールがマイちゃんの口に入った。
ファンタジー
公開:20/08/05 18:16

柚須 佳( 東京 )

柚須 佳(ユス ケイ)と申します。
緻密な世界設定なものが好きです。

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