家事の結末

2
3

「休みの日ぐらい少しは家の事手伝ってよ!!」
ドンガラガッシャーン。今日も妻の怒号が響く。
結婚当初は家事分担条約にサインした夫だったが、三十年も経てば都合の悪いことは忘れてしまう。

翌月、夫が会社に行ったと思ったら一時間もしない内に帰ってきて、そそくさとエプロンを腰に巻きだした。
「何してるのよ。仕事は?」「仕事だよ」
そういうとゴミ出しから洗濯、便器掃除まで手際よく済ませてしまった。
「どういうことよ」
「あの日怒られて目が覚めたんだ。家事ができないなんて夫として失格だって。」
妻ははっとする。
「家事代行サービスの仕事に転職したんだ。稼ぎながら、少しは君にラクしてもらえると思って。週2で君の都合のいい日に来るよ。あ、もちろんお代はいらない。会社に伝えてるからね。いつがいい?」

「そうね。間を取って、月曜日と木曜日がいいかしら。それ以外で用事はないから、お暇してていいわよ。」
その他
公開:20/08/17 15:00
更新:20/08/13 21:07

まのじゅん( 神戸 )

まのじゅん/間野 純
神戸市在住の26歳
執筆は2020年春ごろから

お立ち寄りいただきありがとうございます
ふらりと交流できれば幸いです

▼NOVEL DAYS
https://novel.daysneo.com/author/j_mano37/
▼入選作品
・J-WAVE SPARK×NOVELDAYS ほっこりショートコンテスト第1弾「モノのつぶやき」
 「子に捧ぐ祈り」

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容