あの世で再スタート

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会社を辞めた。
もう何度目の辞職になるか分からないが、親のスネをかじりつつ、いつでも再スタートできるから大丈夫。
…とタカをくくっていたら、あの世が既に目の前に来ていた。
人生100年世代で今まで何をやっていたのか、思い出す事すら出来ない。
気付けば閻魔大王が目の前で鬼と一緒に手ぐすねを引いて待ち構えていた。
「□竹○夫、お前の罪状を読み上げる…
怠惰の罪により、煉獄地獄行きの刑に処す」
マジか…冷汗をかきつつ、上を見たら極楽にいる同級生達の姿が。
俺はこんな所にいるのに、アイツらの人生との雲泥の差は何だろう…
そう考えていると何を思ってか、観音様がタワシを落として来た。
閃いた俺は「地獄を掃除させて下さい!一生懸命、隅から隅まで磨かせて頂きます!」

それから、俺は数え尽くせない歳月を地獄の掃除で費やした。
そうして、ピカピカになった地獄から用済みとなって、極楽へと追い出される日が来た。
ファンタジー
公開:20/08/03 15:11
更新:21/02/27 22:12

水鏡かけら( 日本 )

執筆のリハビリがてらに、書いております。
noteでは、web小説や映画のレビューも書いています。
*アイコンは、むしのいき様@333Musino

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