緊急対策会議

4
2

会議室は緊張感に包まれていた。
全国から招集されたリーダー達の表情も一同に厳しいものだった。
「えー、今日集まってもらったのは他でもない。この未曾有の事態において我々のシェアが激減している。至急打開策を講じないといけない。」
モニタには本年度のシェア推移を表すグラフが映し出されている。
どよめきが起こる。
緊急事態宣言が出された4月以降一気にライバルのシェアが伸びているのが見て取れる。
幹部は重々しい口調で続ける。
「もしかしたら、我々は先人達の業績にあぐらをかいていたのかもしれない。
新規参入などありえ無いという傲りがこの結果を招いているといってもいいだろう。」
「でも、どうすれば…」
誰かが嘆いた。

幹部は声を張り上げた。
「いいか!逆に言えば我々には歴史がある。
『道路に何故か落ちている代表格』である我々『片方の軍手』がそうそうその座をマスクなんぞに明け渡してなるものか!」
その他
公開:20/08/02 19:26

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容