エリちゃんは気づいていない

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「やっぱ、先輩は他の男性社員とは違いますね」
エリちゃんは、急に真面目な顔になって言った。
「え、何が?」
ドキッとした。
そう言えば電車の中で二人っきりは初めてかも。
「スーツがピシッとしてるとこ。ほら、皺が全然ないもん」
「あ、ああ…」
昨日SEIYUで買ったばかりの安物スーツだとは言えない。しかも、すぐにボタン取れちゃって、裁縫道具なんて持ってないから、とりあえずアロンアルファで付けたなんてことは言えない。
「靴だってピカピカだし」
その革靴は角が剥げてきたから、黒色のマジックペンで塗り潰したんだよな。
「先輩って、なんかデキる男のオーラが出てるんですよね!」
「あ、ありがとう」
「でも、ネクタイだけ少し曲がってますよ?」
エリちゃんの手がネクタイの結び目に触れる。
ヤバい。恥ずかしくて赤面する!
今朝家出る時に忘れてしまって、慌ててさっきファミマで買ったネクタイなんだけど!!
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公開:20/08/02 19:23
更新:20/08/02 19:24

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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