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 人間と猫の立場が交換されて久しく時間が経った。
「人間は増えすぎた」また「人間は罪深いことを多くした」ためだろうか、人はほんの小さい、「元の人間なら手のひらで掴んで余る程度」の大きさになった。対して猫はかつての人間ほどの大きさになった。
 小さくなっても人は人。人間はその住む場所の為に空き地を見つけては平らに慣らして家を建てた。人間たちの家が建ち並ぶ様は、大きかった頃の人間が見たら「おもちゃの国のよう」で、得も言われぬときめきを感じさせただろう。「ここに本当に人が住んでいたらおもしろいのに」と、見る人に思わせただろう。今は実際に、小さくなった人が住んでいるわけで、彼らが彼ら自身を見て「おもしろそう」などと感じたりはしないのだった。
 猫様がやって来た。ヒトの家の集まりをジッと見つめ、匂いを嗅ぎ、ゴリゴリと引っ掻き、叩き、散々弄び、ヒトを一人、戦利品として咥えて去って行った。
その他
公開:20/08/03 22:43
#猫

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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