夏祭り

｢あ～、ド忘れッ！｣

　昔習った古典のタイトルが出て来ない。

　自宅で悶々としていると、

　ー　ワッショイ！　ワッショイ！　ー

　外から、お神輿を担ぐ、お祭り行列の声。

｢あ、今日は神社の夏祭りだ！｣

　私は部屋の窓を開けた。自宅前の公園に、テントが設営されてあり、お神輿の休憩所となっていた。

　夏の炎天下。よく冷えた麦茶やスポーツドリンク、スイカやキュウリの浅漬け等が、振る舞われていた。

　キュウリの浅漬けを、

　ー　ポキンッ！　ー

　と、いい音をさせて、半分に折ってから食べている若い衆。

｢浅漬けキュウリを『ポキンッ！』と、いい音をさせて食べる若い衆か～……、んっ？｣

　何かピンッと来た！

｢『ポキンッ』と『若い衆』……？　『ポキン……若衆……』♪　あッ！　思い出したかったのは、『古今和歌集』だッ！｣

　ハァ～～～、スッとした♪

　神様、ありがと～♪