滑り止め

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「滑り止めの大学落ちた……もう俺の人生ダメだ……」
 受験結果を見たタケシが大声で泣き始めた。
「いやいや、そんなことで落ち込んでたらダメでしょ」
「何でさ! 滑り止め落ちたんだよ!? 落ち込むに決まってるじゃん! トシキのバカ!」
 タケシは大泣きしながら教室から出ていった。

「ねえねえトシキ君、さっきタケシ君が泣きながら出ていったけど、どうしたの?」
 入れ違いに、同じクラスのエイコが入ってきた。
「ああ、滑り止めの大学落ちたってすっごい落ち込んでてね」
「なるほどねぇ、そりゃ落ち込むよ。ところで、タケシ君の滑り止めの大学って?」
 エイコが尋ねると、トシキはため息をつきながら言った。

「オックスフォード大学」

 彼の本命は一体どこの大学だったのだろう。
その他
公開:20/08/02 13:49

フィーカス

短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。

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