スリーランホームラン

　野球好きの同僚たち。

｢まさかの展開だったよね！｣
｢だよね～！｣

　昨日の逆転劇の話だな。

｢いや～、ほんと、普段、守備固めの男が、スリーランホームラン！　カッコよすぎだね！｣

　僕が話に加わると、彼らは、キョトン？

｢えっ？｣
｢昨日のスリーランホームランの話でしょ？｣
｢いやいや、昨日の立呑屋さんでの話｣
｢立呑屋さん？｣
｢そう、昨日の帰り、こいつと一杯だけ寄ったんだ｣
｢おぉ｣
｢俺たち、そんな飲めないじゃん｣
｢あぁ｣
｢だから、ビール小瓶を二人で分けて、それぞれ一品食べて｣
｢はぁ｣
｢帰ろうとしたら、常務が来られて｣
｢ほぉ｣
｢散々飲み食いした後だと思われたんだろうね｣
｢『釣りは取っときなさい』って、一万円、ポンッ！｣
｢へぇ～｣
｢お釣9,000円♪｣
｢釣りいらん常務さん、カッコよすぎだね！　で、どこの立呑屋？｣

　目指すは、9,000円越え♪