その後のアリス

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不思議の国、そして鏡の国を冒険したアリスは、新たな国を探していました。
日本は京の都の鳥辺山という墓所の麓にある六道珍皇寺の本堂裏庭の井戸から、あの世に行き来できると聞いたアリスは、空想好きで好奇心旺盛な性格も手伝って、はるばる英国から京にやって来ました。
早速、平安時代に公卿だった小野篁という人物がこの世とあの世を往復して閻魔大王に仕えたと伝承される井戸の中に、アリスは入って行きました。
井戸から続く真っ暗な道を抜けると急に明るくなり、アリスは閻魔大王の屋敷に辿り着きました。
すると、亡くなったあとも閻魔大王に仕える小野篁がやって来たので、アリスが事情を説明したところ、閻魔大王の許可を得て、人間が住む世界以外の五道を篁に案内してもらえることとなりました。そしてアリスは、輪廻転生する五つの世界が存在することを目の当たりにしたのです。
この世に戻ったアリスは、英国であの世の研究を始めました。
ファンタジー
公開:20/08/02 07:48
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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