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今日は猫町神社の夏祭り。
雛壇状の神社の境内にびっしりと夜店が並び提灯が点りお囃子が流れて幻想的な雰囲気だ。
今年も多くの猫が訪れ、露店の呼び込みや子供たちの声が響き賑わう。
人気は鰹の串焼きやマタタビ綿菓子などだ。
「あっ、パパ、金魚すくいだ。やって良い?」
「パパの分まですくってくれよ」
たたたたた
「ら、らっしゃ~い」
金魚すくい屋の縁日水槽の前に子ミケが立ち止まった。
「ああっ! 金魚がいない!」
金魚すくい屋の雉トラのオヤジは照れくさそうに鼻を掌球で拭うと
「すまねぇなぁ……人気がありすぎて金魚はもう売り切れでぇ」
「えぇーっ! 僕、パパの分まですくうって思ってたのに」
子ミケはがっかりして泣きそうになっている。
雉トラのオヤジは子ミケに顔を向けると
「来年は早めにおいで」
とニッコリ笑いかけた。口の端っこに赤いピクピク震えるヒレをちょっぴり覗かせながら。
雛壇状の神社の境内にびっしりと夜店が並び提灯が点りお囃子が流れて幻想的な雰囲気だ。
今年も多くの猫が訪れ、露店の呼び込みや子供たちの声が響き賑わう。
人気は鰹の串焼きやマタタビ綿菓子などだ。
「あっ、パパ、金魚すくいだ。やって良い?」
「パパの分まですくってくれよ」
たたたたた
「ら、らっしゃ~い」
金魚すくい屋の縁日水槽の前に子ミケが立ち止まった。
「ああっ! 金魚がいない!」
金魚すくい屋の雉トラのオヤジは照れくさそうに鼻を掌球で拭うと
「すまねぇなぁ……人気がありすぎて金魚はもう売り切れでぇ」
「えぇーっ! 僕、パパの分まですくうって思ってたのに」
子ミケはがっかりして泣きそうになっている。
雉トラのオヤジは子ミケに顔を向けると
「来年は早めにおいで」
とニッコリ笑いかけた。口の端っこに赤いピクピク震えるヒレをちょっぴり覗かせながら。
ファンタジー
公開:20/08/01 20:14
更新:20/08/01 20:22
更新:20/08/01 20:22
楽しみながらたまにのんびりと書いていきたいと思っています。(創作グループstudioEG所属の小間使いです。)
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