二宮金次郎像の噂　～とある小学校の会話～

「なぁ…聞いたか、二宮金次郎像の話」

「あの、夜中に勝手に歩くとかいう、学校の七不思議？」

「そう、それだ。その二宮金次郎像な、昨日の深夜、学校の外を歩いていたところ、補導員に捕まったんだって」

「マジで！？」

「マジだよマジ！それでさ、『子供達の手本になる人が、夜中に出歩いちゃいけません！』って怒られて、学校に連絡入れられて、校長先生の像に無茶苦茶怒られたんだって」

「馬鹿だな。学校の外を歩いたらそうなる事くらい分かるだろう」

「しかも、それだけじゃないんだぜ」

「まだ何かあったの？」

「ああ、どうやら二宮金次郎像、教科書読みながら道歩いていたらしい」

「歩きスマホかよ！そりゃ、怒られて当然だ！」

「で、校長先生の像にスマホ取り上げられて、今めっちゃへこんでいるんだって…」

「ああ、それでか。二宮金次郎像、今日暗い顔して、薪の上に座って本を読んでいたな」