夏野菜の扉

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「さ、遠慮なく食べてくれたまえ!」
彼女のお父さんが畑で採れたばかりの野菜を使った料理をふるまってくれた。
その料理の多くにニンニクが使われている。
彼女が「これじゃ食後、キスできないね」なんて困ったように言うが私はそれ以上に困っている。
私は…吸血鬼なんだ!
日焼け止めクリームを塗る事で日光に打ち勝つことは出来ても、体の中から焼かれるニンニクに勝つことは出来ない。
「どうした?食わんのか?それとも、儂の作ったニンニクが食えんのか?」
「違います違います!私、ニンニクアレルギーで食べられないんです…」
咄嗟についた嘘ではあるが、これはいける!と私は確信した。
「すみません!ニンニク以外は大丈夫なので、そちらを頂きます!」
それ私は他の夏野菜料理に手を伸ばし、舌鼓を打つ。
瑞々しい夏野菜は血液より美味しい。私は夏野菜が大好きなのだ!
そんな私の様子を見て、彼女のお父さんの心の扉も開きかけた。
公開:20/07/31 18:53
続かない

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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