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最近は、街でよく超極細ビルを見かけるようになってきた。
風に煽られ今にも折れてしまいそうなほどに細く、高さは大気圏を優に越え、宇宙にまで達している。
なぜそんなにも細長いのかというと、ビル自体がアンテナと化し、異星人たちと交信して共同で仕事をするためのビルだからである。
今まで何光年もの距離を移動し、異星人たちとわざわざ会議室に集まって仕事をしていた頃に比べると、効率が段違いである。
超極細ビルの発明は、豊かな宇宙社会を築く飛躍的な一歩であったに違いない。

そして私も、超極細ビルに毎朝出勤する地球人の一人である。
今日もまた、いつものように異星人たちとのリモート会議が行われた。
宇宙全体に向けて私は、地球に存在する「愛」というものについてのプレゼンをした。
SF
公開:20/07/29 18:36
更新:20/08/02 15:46

日常のソクラテス( 神奈川 )

空想競技コンテスト銅メダル『ピンポンダッシュ選手権』
空想競技コンテスト入賞  『ダメ人間コンテスト』
ベルモニー Presents ショートショートコンテスト入賞 『縁茶』
X (twitter):望月滋斗 (@mochizuki_short)

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