金庫破り

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夜。
ガチャ、と鍵の開く音がした。
成功だ。
金庫破りの私は、そう思った。
やはり、昔の鍵のほうが開けた時の高揚感に格別のものがある。
わざわざ、タイムスリップしてきてよかった。
私はさっさと金を袋に詰め、未来へと逃げた。
翌日、政府の金庫は大騒ぎだったらしい。
もちろん、証拠などないから犯人が見つかるはずもない。
こうして、この損失を補填するために、わけのわからない予算を計上する政治家たちというのも、少し不憫というものか。
まあ、その分おこぼれも多いのだから、それで許してもらうことにしよう。
公開:20/07/29 17:13

ふじのん

大学生

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