ユメニスト世界大会

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 僕が布団に潜り込むと、競技がスタートした。
 3、2、1……布団がフッ飛んだ! 
 ユメニスト世界大会の決勝戦が始まったのだ。布団が窓から夜空に舞い上がる。街は宝石のように輝いていた。
 スカイツリー上空の競技場に来た。
 地上では、主催者のバク三兄弟が審査員として夢の採点をする。バク三兄弟は空に雲のスクリーンを作り出すことができるのだ。
 決勝戦は高校生の僕と、
 13才の少女、星野カノン。
 二人の布団が上空を浮遊している。夢を見ているのだ。
 彼女は猫の夢を雲のスクリーンに投影した。猫ダンスの可愛さに東京の街がどよめく。
 僕は、お菓子の国を旅する夢をスクリーンいっぱいに描いた。女子の歓声が上がる。
 軍配は星野カノンに上がった。お菓子を選択したのが甘かった。
 バク三兄弟は、描いた夢を綿菓子みたいにパクパク食べた。
 朝。目覚めると、青空に一筋の雲が見えた。猫の爪痕のようだった。
ファンタジー
公開:20/07/29 12:58
空想競技

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。

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