片翼の海碧

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待ち合わせの自然公園、腕時計を確認するとまだ時間がある、ちょっと身だしなみを見ておこうと鏡を取り出して見ると、そこにはコバルトのイヤリングが揺れているのが映る。片側だけのイヤリングは彼女とお揃い、二人でひとつだ。彼女が女子校を転校して以来数年ぶりの再会になる。
大好きな人、この気持ちはずっと変わらない、きっと彼女……海月も同じだと信じてる。
「碧ー!久しぶりー!」
振り返ると海月が手を振っていた、そして隣には見知らぬ男がいる。
「海月、久しぶり!……その人は?」
「紹介するね、婚約者の海斗さん」
婚約指輪を嬉しそうに見せてくる海月、耳元にはコバルトのイヤリングは無い。私は海月を連れ出した。
「なんで、イヤリングしてないの……?私のことは……もう」
「ごめん、今はもう碧に恋愛感情持ってない」
数分後二人と別れて帰宅した。
――今の自分には愚者と言う言葉がお似合いだと、心底思う。
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公開:20/07/30 15:25
ノベルちゃん三題 自然公園、コバルト、愚者 百合を書いてみたつもりです

癒月連理( 岩手 )

2020.3.16にこの場所を見つけて、長文を書くのが苦手な私でもショートショートなら挑戦できるかなと思い、投稿を始めました。

このショートショートガーデンで書くことの楽しさを知る事ができました。
自分なりに色々文章を模索していきたいと思います。
作品を読んで気になった事がありましたら、是非コメントをお願いします、厳しいコメントもお待ちしています。

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