おかしな戦争
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すべては焦土と化した。お互いがお互いを罵り合い、潰し合い、奪い尽くし、食いつくす。そんな争いは、もう終わったのだ。
勝利に酔った人々はみな大地にひれ伏し、敗者は悪夢を見続ける。そんな中、たった一人、この戦争の後始末をする者がいた。彼女は勝利に酔いしれるわけでもなければ、敗者として立ち尽くすわけでもなかった。彼女だけが冷静に、この戦いの傍観者だった。
「はいはい、床で寝ないでさっさとベッドで寝なさい」
そう言って母親である彼女はお菓子の袋を片付ける。どのお菓子が美味しいか争っていた二人の兄弟は、酒の飲み過ぎで重くなった頭を抱えながら、寝室に向かった。
お互い相手のお菓子の欠点を罵り合い、相手が提供したお菓子を潰し合い、「やっぱりこれうめぇ」と言いながら相手のお菓子も奪い尽くし、そして食いつくす。そんな争いを終え、ただただ頭痛だけが残った。今夜は悪夢に違いない。
勝利に酔った人々はみな大地にひれ伏し、敗者は悪夢を見続ける。そんな中、たった一人、この戦争の後始末をする者がいた。彼女は勝利に酔いしれるわけでもなければ、敗者として立ち尽くすわけでもなかった。彼女だけが冷静に、この戦いの傍観者だった。
「はいはい、床で寝ないでさっさとベッドで寝なさい」
そう言って母親である彼女はお菓子の袋を片付ける。どのお菓子が美味しいか争っていた二人の兄弟は、酒の飲み過ぎで重くなった頭を抱えながら、寝室に向かった。
お互い相手のお菓子の欠点を罵り合い、相手が提供したお菓子を潰し合い、「やっぱりこれうめぇ」と言いながら相手のお菓子も奪い尽くし、そして食いつくす。そんな争いを終え、ただただ頭痛だけが残った。今夜は悪夢に違いない。
その他
公開:20/07/30 05:13
短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。
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