真夜中のコンビニ

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『そのコンビニに深夜、手紙を投函すると未来の自分から返事が返って来る』
その噂を聞いた私は真夜中のコンビニを訪れた。しかしどこを見てもポストはない。
「何かお探しですか?」
店員のおじさんが声をかけてきた。
「あの…ポストはありますか?」
「もしかして噂を聞いてやってきたのですか?申し訳ありませんがそのようなポストはありません。代わりと言っては何ですが私で良ければ話くらいお聞きいたしますよ」
私はおじさんに身の上話を聞かせた。
何て事はない。子育てに疲れたシングルマザーの話だ。
「そうですか…御苦労なさっているんですね。ならばこそ、息子さんを施設に預けず大切にしてあげて下さい。大丈夫。幼い息子さんは頑張る母の姿をちゃんと見ております」
この人にそう言われると何だか本当にそんな気がしてきた。
私はお礼を言って店を出た。
「ちゃんと未来で親孝行してますからね、母さん」
おじさんがそっと呟いた。
ファンタジー
公開:20/07/28 18:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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